言霊というけれど
時に言葉には魂を吹き込むことがあると思う
昨日、図書館で借りた本
緩和ケア医ががんになって
で救われる一文があった
終末期がん患者に関わる医師として自らが発病までは
「頑張らない、そしてあきらめない」と話してきたが
自らが発病し再発転移した今、
「あきらめる、そして頑張る」と声を大にして唱えたいと。
頑張るという言葉
安易に使ってしまうけれど
そうなんだ、「あきらめる、そして今できることを頑張る」で良いのかと楽になる
療養前と同じには戻れない
そこを頑張っても仕方ない
ポジティブ思考の私でさえ
どう頑張れば良いのかと道を塞がれることもある
放射線科医の説明の中で
照射範囲が広い事で落ち込まないようにと言われた
そういう患者さんが多いのかな
他人と比較する事は特に療養においてタブー
がん細胞にも個性があるし、薬剤効果も同じ
なぜと考えると、無力という壁が立ちはだかる
今できることだけとりあえず向き合う
他にも入院中に出会った魔法の言葉は
看護師さんの
「この近年で1番傷口が綺麗」だ
もしかしたら患者さんみんなに使って励ましているのかもしれないなと今更思うけれど
この言葉で、自分の身体にコンプレックスも全く持たず、診察のたび、見てみて、傷こんなに治り早いと自信も持てて、鏡の中の自分とも難なく対峙できている
そして
繰り返し思い出す
手術が終了し、麻酔から覚める私に
主治医が放った「終わったよ〜」が何とも心地よかった
主治医は
小さい大阪のおっちゃんみたいだと家族に話しおいたけれど
実は、大きなおっちゃんだった
いつも診察室で座っている姿しか見ておらず
入院して初めて、背が高いことに気付いた
あまりにも普通に「終わったよ〜」と起こされて
どれだけ安心したことか計り知れない
私も魔法の言葉をかけられるような人になりたい
そんなふうに思った
読書にぴったりな音楽も見つけ
昨日借りた本も3冊読んでしまう
次は何借りようかと好きなタイプの作家に出会うのが楽しみな毎日
明日から放射線25回カウントダウン開始
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